「柔らかい剣道防具を作る」というコンセプトのもと、「手刺し」にこだわってスタートしたストレッチ防具でしたが。。。
「これ、ミシン刺しで作ったらいいんじゃない?」
こう、ある範士に言われたのが頭にこびりついて離れませんでした。
よーし、一度「ミシン刺し」で作ってみよう!
早速、日本の職人さんのところへ駆け込むのにそう時間はかかりませんでした。
そして、出来上がったミシン刺しでの試作品は、ピッチ刺しを凌駕する柔らかさと適度な弾力を兼ね備えた理想のストレッチ防具だったのです。
更に、充分なストレッチ性を保持しながらも、手刺しではもの足らなかった「コシ」があるのには驚かされました。
この結果を目の当たりにして、感動と反省が混在した何とも変な気分でした。
「ストレッチ防具は”手刺し”じゃなくっちゃ。」
これは”思い込み”に過ぎなかった事を認めざるを得ませんでした。
かくして、「手刺し」から「ミシン刺し」に製法を変更して、KENPROオリジナルのストレッチ防具をリニューアルする事ができたのです。
しかも、大幅なコストダウンというオマケ付きで。
いまや、アパレル業界ではもはや当たり前のものとなっている「ストレッチ生地」。
従来使用される綿100%の紺反をストレッチ生地に変えて防具を作ってみてはどうだろう?
まずは、新素材が出来なければ何も始まりません。
これまた、生地作成を依頼した”織物のプロフェッショナル”の仕事は、寸分の隙もありませんでした。
一発目の試作品で出てきたものは、
伸縮性良し
色合い良し
耐久性良し
ケチのつけようが無いというのはこの事です。
この三拍子が揃わなければ、前には進めないのは明らかでしたから、新素材を期待する我々にとってはまさに”奇跡”。加えて驚異的な仕事スピード。
長年積み上げてきた日本の織物業界でのキャリアに加えて、かつては剣道に青春を捧げた剣道経験者というバックボーンがあったからこその偉業でした。
第一号の「ストレッチ剣道防具」の縫製方法には「手刺し」を採用しました。柔らかさは最高だったのですが、柔らかすぎるため、ややコシが不足してしまい、打突を受けた時に面がややズレてみたり、適度な型をキープしにくいと言った問題もあったのでした。
そこで、手刺しよりも柔らかさは不利であろうと考えていたミシン刺しで試作をしてみたところ、「柔らかさ」と「コシ」がベストバランスで両立出来たのには驚きました。
まさに、「ピッチ刺し」を凌駕する「ストレッチ剣道防具」が誕生した瞬間でした!
かくして出来上がったストレッチ防具は「至上の柔らかさ」と言っても過言ではありません。
しかし、柔らかいからといって、打ち込まれた時に痛ければ防具としての機能を果たしていないことになります。
そのためには、「芯材」が重要になってきます。ストレッチ性能を損なわずに耐衝撃性を保持させるためには、適正な材質で十分な量の芯材を入れることが不可欠です。
4層の芯材を駆使して、打突部位には手厚く、可動部位には薄目にと、匠による絶妙の緩急で柔と剛を両立させてくれました。
もちろん、ストレッチ剣道防具「KENPRO」は立ち姿も重視しました。
機能性とスタイルが融合してこその革新と考えるからです。
まったく未使用の新品を学生さんに着装してもらいました。
最初から馴染んだ感じがわかるでしょうか?
更に使い込むごとに体にフィットしていき、まるでボディの一部であるように感じられる事でしょう。
使い込むごとに色褪せる剣道防具であっては欲しくないのです。
ストレッチ剣道防具「KENPRO-M8」の材料のほとんどは日本製を使用しており、縫製や組み立ての作業も主に日本で行っています。
厳密にはMADE INJAPANの表示はできませんが、同等のクオリティーは保たれていると自信を持っております。
生地・材料 | 縫製・組み立て | |
---|---|---|
面 | 日本製 | 日本製 |
胴 | 中国製または日本製 | 中国製または日本製 |
小手 |
日本製 |
頭:韓国製 |
布団:日本製 | ||
垂 | 日本製 | 日本製 |
伝統的な木綿の藍染め紺反生地の代わりには、革新的なオリジナルストレッチ生地「ストレッチツイル」を採用しました。
一般的なストレッチ生地は伸縮が1方向なのに対して、「ストレッチツイル」は縦横2方向に伸縮する機能を有しています。なので、剣道の複雑な動きに順応しやすい布団の生地として最適なのです。
しかも、材質はポリエステル100%なのに、まるで紺反のような柔らかく自然な風合いを表現できるのはこの生地ならではの特徴です。
また、「ストレッチツイル」には形態回復性の機能があり型崩れしにくくシワになりにくいため、防具を洗濯してもいほとんど風合いが変わりません。
もちろん、藍染めのように色あせすることもないので、新品の風合いを長く保持することができますので、試合用、審査用に防具を備える必要もありません。
耐摩耗性(スレ止め)と通気性、そしてなにより防具の高級感を醸し出す鹿革の代替としては、知る人ぞ知る高級高性能素材である東レの「ウルトラスエード」を使用しています。
使用している箇所は布団の竹刀の打突を受けやすい箇所やへりなどの擦れやすい箇所に使用しています。「ストレッチツイル」の伸縮性を損なわないように伸縮性の高い「ウルトラスエード」を使用しています。
小手の手の内には適度な厚みのある耐摩耗性の高い「ウルトラスエード」を使用していますので鹿革に劣らない耐久性を誇ります。
「ウルトラスエード」は薄くて軽い上、通気性・耐摩耗性・伸縮性を兼ね備えたハイテク生地です。海外では、ランボルギーニ、BMW、マセラティ、アストンマーティン、メルセデス・ベンツなどのシート生地にも採用されています。
ヨーロッパでは「アルカンターラ」というブランド名で販売されており、自動車業界では言わずと知れた高級素材なのです。
内輪に採用している生地は東レの「コスメル」という生地です。
特殊なポリエステル糸を高密度に織り込んだ生地で、面の中で最も汚れやすい内輪に最適な素材と言えます。
どうして最適かというと、高密度の織りのためいわゆる垢が繊維の中に入り込みにくいのです。と同時に汚れが取れやすいんですね。
タオルなんかで簡単に拭き取れちゃいますのでお手入れが楽になりますし、臭いの原因となる汚れを寄せ付けません。
色も鮮やかなブルーでなんだか気分も爽快になるはずです。
伝統的な風合いは維持しながらも、高性能素材を駆使して出来上がったストレッチ剣道防具「KENPRO-M8」。
その結果、「洗濯できる防具」という、常識をくつがえす商品に仕上がりました。
「洗濯できる」と言う定義には賛否があると思いますが、ストレッチ防具「KENPRO-M8」は普通の洗濯物と同様に洗濯機で洗えるという点と洗う前と洗って乾かした後の風合いが変わらないという点で「洗濯できる」と言えるのです。
縮み、色褪せなどが一切無い手軽さをぜひ実感してみてください。
ただし、何点か注意点もあります。
1.面の内輪は特に汚れやすいのに加えて、洗濯機の水流が届きにくいので、洗い途中でタワシやハブラシをかけるとより綺麗になります。
2.洗濯して綺麗になっても乾燥が遅いと菌の繁殖が復活しやすくなるので、乾燥機や扇風機を利用して出来るだけ早く乾燥しましょう。
小手頭の詰め物は「鹿毛」を使用しているためどうしても乾きが遅いです。
藍染めの生地ほど色褪せはしませんが、直射日光での乾燥は避けた方が良いでしょう。
商品名 | KENPRO-M8 | KENPRO-M6 |
---|---|---|
[刺し幅] | 8mm | 6mm |
胴あり4点セット (面・小手・垂・胴) |
120,000円 (50本型樹脂胴) |
150,000円
(50本型樹脂胴) |
胴なし3点セット (面・小手・垂) |
110,000円 | 140,000円 |
面 | 55,000円 | 67,000円 |
胴 | 20,000円 |
20,000円
(50本型樹脂胴) |
小手 | 35,000円 | 38,000円 |
垂 | 40,000円 | 50,000円 |
内容 | 商品名 | 標準価格 | 特別価格 |
---|---|---|---|
防具セット用 |
防具ネーム(5枚)
アイロン接着・貼付込み |
1,650円 | 1,100円 |
防具ネーム(5枚)
アイロン接着・ネームのみ |
825円 | 550円 | |
防具ネーム(4枚)
手まつり縫い・茶/紺 |
3,300円 | 2,200円 | |
小手用 |
防具ネーム(2枚)
手まつり縫い・茶/紺 |
1,650円 | 1,100円 |
防具ネーム(2枚)
アイロン接着・貼付込み |
660円 | 440円 | |
防具ネーム(2枚)
アイロン接着・ネームのみ |
330円 | 220円 | |
面・胴・垂用 |
防具ネーム(1枚)
手まつり縫い・茶/紺 |
825円 | 550円 |
防具ネーム(1枚)
アイロン接着・貼付込み |
330円 | 220円 | |
防具ネーム(1枚)
アイロン接着・ネームのみ |
165円 | 110円 |
ストレッチ剣道防具は受注生産品となりますので、ご注文確定後、60日〜90日の発送になります。
したがって、配達希望日にお届け出来ない場合があります。あらかじめご了承ください。